私は過去に何度も職場いじめにあったゆえに、
なぜ人はいじめをするのかという心理や原因を知りたくなりました。
なぜ、こういう考え方をするのか
なぜ、威圧的な行動をとるのか
なぜ、村八分にして楽しむのか
なぜ、私はいじめられるのか
なぜなぜなぜ…
そんな中でもYouTubeにハマっている私が見つけた
中野信子さん(以下中野氏)のラジオをご紹介します。
いじめはなくならない
こちらのYouTubeラジオにおいて、いじめの仕組みについて詳しく話されています。
いじめはやってはいけないこととはわかっているが、なくそうとしてもなくならない。
排除されるべき人を自然に誰か検出して、皆で寄ってたかって攻撃することが起きることがわかった。
そもそも人間は弱い生き物、脆弱にできている。
哺乳類の中では、足も遅く、クマなどに比べたら戦う力も弱く勝てない。
集団を作る機能
それにもかかわらずなぜ人間はここまで繁殖したのか?
理由は
弱い個体を犠牲にして、多くの人が生き残るという選択をしてきた
それはつまり、集団を作るという機能(=社会性)が人間にとって大きな武器となっている。
集団を作る機能を壊す人が自分たちにとっての脅威となり、
- (その人たちを)排除する
- ふるまいを変えてもらうために攻撃をする
ということが自分たちの命を守るための大事な行動であったと考えられる。
集団生活を営む中で、農耕民族だった日本人はサボって仮病をする人がいた場合
- 許す⇒みんなで共同作業できない
- 許さない⇒制裁を加える(制裁行動のことをサンクションと呼ぶ)
制裁を加えない集団は集団ごと滅びてきた、
よって世界中どこでもサンクションが発達してきたと中野氏は言います。
フリーライダーを許せない
社会集団にとって脅威となるもの、
それはフリーライダー(直訳ではタダ乗りする人)。
フリーライダーとは、
先ほどの例で、仮病をする人。
つまり、協力行動をとらない、邪魔をする人、ズルする人など
たとえば、権力者にすり寄って世渡りする女性がいたとする。
最初は、この人は大変なのかもしれないと思っていても、途中から「こいつはおいしいとこ取りをしている」と思うと一気に攻撃し始める。
ズルしている人は許してはいけない、と排除する。
・社会正義なんだ!
・こんな悪は許してはいけない!
・この人は攻撃されてもいいだけのことをしたんだ!
という考えに及び
悪口、攻撃、石を投げることをためらわなくなる。
何なら、攻撃することに快感すら覚える。
相手に攻撃をするということは、仕返しのリスクが想定される。
集団にとって得ではあるが
個人にとってメリットはない。
そのため、脳がいじめることに対して快感を作り出したのだ。
みんなが寄ってたかっていじめる、
それをゲーム性、楽しみ、としていじめる人も出てくる。
仕返しのリスクを上回る喜びを脳が作らないと、集団を維持できない。
そうやって何万年もかけて、集団として生きるために脳がその機能を作ってきた、とこのように中野氏は考えます。
サンクション(制裁行動)とは
サンクション=制裁行動は、集団になれば必ず生じる。
そもそもは、集団を維持するため「向社会性」の表れという。
向社会性とは、反社会性の逆で、社会のために何かをしよう、他人のために役に立とうとする性質。
それ自体は悪くないし、必要なものではあるが、高まりすぎると危険な現象が2つ出てくる。
1.排外感情
自分たちとは違う人々に対する敵対心、相手を不当に低く見る気持ち、
近年のアメリカで起きている移民問題や、日本でのヘイトスピーチなどがいい例。
2.オーバーサンクション(過剰な制裁)
ルールを破ろうとしたわけではなく、ルールを知らなかっただけの人だったり、ちょっとだけ人と違ってかわいい、違う格好をしている、皆の標準と少しだけ違うという人、こういった対象に向けて制裁感情が発令してしまうことがある。
本来、ズルしているわけではない人たちに対して過剰な制裁が起こる。
これがいじめを作り出してしまうメカニズムだと中野氏は言います。
日本:一人だけ違うことがいじめの始まり
世界:それぞれみんな違っていてもいい、個性・一個人として認められる
裏切り者検出モジュール
逸脱者を検知するシステムを「裏切り者検出モジュール」と呼ぶ。誰もが持つシステムで、そのシステムが強く働く場合がある。タダ乗りをしていないのに、ズルをしているように見えることがある。
たとえば…
あの人、得をしているのでは?
一人だけずるい!
制裁することは正義なのだ!
別に悪いことをしていない人が、一身に攻撃を受けてしまい、せっかくの才能がある人がつぶれてしまうのは非常に残念なこと。
誰しもいじめをする可能性があるという自覚が必要
検出モジュールは誰もが持つものであり、人を叩くという行動は、正当な理由ではなくもしかしたら単なる楽しみとしてやっているかもしれないという可能性を自覚し、一人一人抑える必要がある。
快感を得たいがために、本来攻撃されるべきではない人をわざわざ見つけ出して、快感を得るために攻撃をする、ゲームのようないじめが起きている。それが今の日本の現状。
職場、学校など、人間が集団を作る場所なら「いじめ」はどこでも起こる
気を付けていない限り、いじめはどこでも起こる可能性が常にある
ということを覚えておかねばならない
まとめ|いじめは集団から逸脱した人を容赦なく排除する仕組み
いじめは集団生活を守るために行われる、集団のおきてを守らない人を排除する脳の機能だということがわかりました。
また、特にズルをしていない、正当な理由もないのにオーバーサンクション(過剰な制裁)が起きるわけは、
ということが脳機能的にわかりました。
それは理由もなくいじめられる方にしてみたら非常に迷惑な話です。
本来制裁を加える相手ではない、いじめる対象ではない人であっても、ちょっと人と違っていたり、見方によっては「得をしている、あの人だけずるい!」という変なやっかみ、嫉妬、ねたみによってつぶされる危険性があることが十分に理解できました。
昔から日本には
出る杭は打たれる
ということわざがあるように、人と違って突出しているものに対しては攻撃の対象となっていたわけです。
脳内物質については次の記事「なぜ人はいじめをするのか‐② 脳内物質 オキシトシン、セロトニン、ドーパミンがいじめを加速する」に続きます。
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