あるニュース記事を見てとても驚きました。
President Onlineの
「コロナで就労機会を失った55歳が、そのまま無職を続けることにした理由」という記事です。
55歳男性ひきこもり、30代後半からひきこもっており
コロナ禍で就労機会を失い、ますます脱出できずに
心配になった80代の親御さんが相談に見えたそうです。
それでもFP(ファイナンシャルプランナー)の
55歳ですし、
無理して働かなくてもいいですよ
という返答には驚きました。
この記事を読むと
・ひきこもりの人でも働かなくてもいい親の資産状況
・今後の危惧される介護問題など
がわかります。
裕福な家庭でお金があれば何とかなる
家族構成、資産状況
【家族構成と家計・資産状況】
収入
・父親:82歳(年金生活)年収280万円
・母親:80歳(年金生活)年収95万円
・長男:55歳(無職)
資産
・預貯金:2300万円
・自宅:戸建て持ち家
支出
・家族3人で社会保険料、住居費、保険料などを除いて*月額20万円
引用元:コロナで就労機会を失った55歳が、そのまま無職を続けることにした理由
年金収入 月30万円以上
年金夫婦合わせて年間375万円。
実に月に30万円以上もらっているのです。
30代、40代の子供のいる一般的な家庭よりも多いかもしれない。
現在は、年収300万円台でもおかしくはないです。
シングルマザーなどはそれ以下の年収200万円、100万円台などが増えてきています。
病気をしていない限りは、貯蓄にも回せる
月々の支出が20万というと月に10万円以上残る…
と思って年間120万円浮くと思っていたのですが
ところが、この記事でわかりにくいのが
社会保険料、住居費、保険料などを除いて*という部分。
それが具体的にならないといくら手元に残るかがわからないです。
しかしながら300万円程度の社会保険料は
月に10万円もかかることはないので
残った分は貯蓄できるのではないかと推測します。
総資産 5000万円以上か
また、預貯金が2300万円というところと
自宅は戸建て持ち家
合計すると資産価値は5000万円近く
もしくはそれ以上になるのではないでしょうか。
その他の収入見込み
また、これだけの預貯金、一戸建ての家を持っていることを考えると
相当な生命保険:親御さんが亡くなった場合、おそらくは3000~5000万円くらいはかけているに違いないと憶測します。ご両親で8000万から1億円ほど入ってくることになるでしょう。
その時点でこのひきこもりのご長男は生涯安泰だと思わざるを得ないです。
90歳でも700万円残る
このご長男が90歳になったとしても
まだ700万円が残っているとFPはシミュレーションします。
<シミュレーションの前提条件>
● 両親とも現在の平均余命(82歳男性の場合:約8年、80歳女性の場合:約12年)まで生きるものとする。
● 老齢厚生年金と老齢基礎年金の合計額は、父親が280万円、母親は95万円とします。
● 両親の死去後に、長男がそのまま自宅に住み続けます。
● 現在の家族3人での生活費は、社会保険料、住居費、保険料などを除いて月額20万円です。父親の死去で2割、母親の死去で4割減額します。
引用元:親の他界後、90歳まで生きても700万円の貯金が残る
反対意見
このFPの言うように700万円残るとは思えない反対意見、
私が考えつく疑問はいくつかあります。
介護の必要性
いくら今は健康であったとしても人はいつかは亡くなります。
急激に病状が悪くなって2,3日で亡くなる場合は別ですが、ピンピンコロリはまれです。
数年、もしくは数十年間、介護が必要な状態で、寝たきりや施設入所を経て亡くなることも多いです。
とくに女性は長生きで、今後の寿命は100歳ともいわれています。
もし母親がアルツハイマー型認知症になって長引いた場合は、この長男が家で見切れるでしょうか。
父親がまだ健康で、生きていれば介護することも可能ではありますが、それでも限界があります。寝たきりになってしまった場合、介護できるでしょうか。
その逆もしかりです。
父親が先に寝たきりになった場合、母親が面倒を見るのでしょうが、長男は手伝えるのでしょうか。
両親ともが介護が必要になった場合はどうするのでしょうか。
長男ということなのでご兄弟、姉妹がおありとは思いますが、それでもひきこもりで協力を得るというのはなかなか難しいことではないでしょうか。
介護は一人ではできません。
在宅介護となるとますますそうで、
家に頻繁に人が出入りすることになります。
私が父の介護していた経験上、ざっと思いつくのは以下の通りです。
こういったことをすべて背負わなくてはなりません。
長男ができるでしょうか。
そのあたりもすべて考慮に入れて計算してあれば話は別ですが
そこまで寝たきりでひどくなってしまった場合はおそらくは施設だと思います。
要介護度に応じて、かかる費用が違うし、
特養(特別養護老人ホーム)は要介護度3以上でないと入所できないので注意が必要です。それに入所するまでに何年か待ちがある可能性が高いです。
今ですら、待ちという状態で、
今後介護が必要な人が増えるのに
介護施設がそこまで急激に増えていないので、受け皿が少ない
ある程度悪くなるまでは
=自宅介護が必要ということになります。
震災や台風、大雨などの災害で家を失う可能性も
これは誰しも起こりうるリスクではありますが
家を失くした場合、どうするのだろうかという危惧があります。
昨今の大雨や台風被害は記憶に新しくけして他人事ではありません。
また南海トラフの地震はいつ来てもおかしくないといわれています。
その場合に資産を失うということは考慮しているのかなと…
もちろん、自分が生きている間に大きな災害がこないに越したことはありません。
しかし、そんな保証はどこにもありません。
FPはそういうことももちろん考慮して
家の地震保険などもちゃんとかけているに違いないとは思いますが。
今、55歳として、90歳とすると家があと35年持つか?
建て替えや家の塗装、リフォームなど費用も考慮しているのか疑問です。
まとめ:すべては時代のせい…?
リスクを見たらきりはありませんが
しかし、ひきこもりであったとしても
親の資産状態によって
働かなくてもいい
なんてうらやましいなと正直感じてしまいました。
結局
この世も、
地獄の沙汰も金次第?
この現象も今だけと言えると思いますけどね。
昭和一桁生まれから、今の70代後半以上は
圧倒的に勝ち組と言われています。
年金も払っていた数倍の額。数千万円の退職金もちゃんともらえた時代。
今後は終身雇用も崩れて退職金も出ないでしょうし、
年金を払い続けても、支払った以上にもらえることもないでしょう。
消費税だってどんどん上がってこの先30%以上になることが想定されます。
保険料だってそう、高齢者に年金を支払うために上がり続けています。
健康保険だって1割負担だったのですよ。
昔は働いている人であれば。
世代間格差半端ない!
ベビーブームの私の世代はバブルも経験しなかったし、しかも、大学のセンター試験も200万人いたから競争率は激しかった。希望の大学に入れなかった人が多いのでは。今は選ばなければ誰もが大学に入れる時代。
大学出ればすぐ就職氷河期だったし、
そこから転職を繰り返して正社員になれない人や
いくら頑張っても報われない人
ひきこもり、転落人生に陥る人
すべての時代の負け組の要素、
不運を一手に請け負っている気がするのです。
すべては時代のせいなのか?
生まれてくる世代によって
こんなに差があるなんてひどい
そう言ってても仕方ない…
いづれにせよ、今の親の代よりも豊かになることは難しいようです。
ピケティの21世紀の資本については
別記事で触れてみたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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