こちらのひきこもりのドキュメンタリー、とても気になっていました。
おいてけぼり~9060家族~
二年前の内容では、ひきこもりの50代女性と90代父が一緒に暮らしていて、生活費のすべては父親の年金のみ。衣食住、父がすべて面倒を見ていました。ところが今回、父親が亡くなられてしまったというのです。
その放送をYouTubeで見つけました。よかったらご覧ください👇
ひきこもりの深い闇、「どうしたら立ち直れるのか?」その答えにはまだ至っていませんが、
現在の闇を照らしたドキュメンタリーとなっていると思います。
よかったら最後までお付き合いください。
家族構成|父親+ひきこもり2人
母親は認知症をわずらい、16年前に他界。現在は3人暮らし。
敬子さん(52歳)
- 35年ひきこもり
- 専門学校を1年で退学、その後工場のパートに出るが2年で辞めさせられた
- 人と話すのが苦手
- ずっとスマホばかりいじっている
- ハムスターを飼っているがエサは父親頼り
父 昭二さん(91歳)
家賃24000円の市営住宅に住み、月の年金18万円の中ですべてやりくりをしている。
家の中の掃除や洗濯、家事はすべて父が担っている。
節約のために、洗濯は4日に1回、入浴は2日に1回。
夜ご飯も100円のバーガー1個。一生懸命お金を使わないように努力している。
食費は1万円程度だが、もう一つ深い闇が…
長男(63歳)
ケガで仕事を辞めてからひきこもりなった。
問題は金の無心。
・パチンコ 月4万円
・タバコ 月2万円
これを父にせびっています。
下の家計簿を見てください。
このUCS(カード)という部分がとても気になりました…
4万円の次が79,000円。その隣が85,996円。これがもしかしたらパチンコとタバコ代かもしれないと思うと胸が苦しくなりました。
スマホのお金も全部親に払わせて恥ずかしくないの?!
と正直思ってしまいました。
国民年金は敬子さんの分を父親が年金から支払っていますが、一定の収入より低い人、無職の人であれば減免という制度がありますので、困っている場合はぜひお住まいの市町村でお尋ねください。
父の思い
父親に対して望みは何ですか?と尋ねてみたところ次のような答えが返ってきました。
お金のことを考えずに、ゆっくりできればそれでいい…ただそれだけ。
なんでこんな世の中になったんかなぁ…
5年ほど前に死のうと思い、失踪したことがあるといいます。でも死ねなかった…
そのときの手記です。
生きることはむつかしい、どんなに恥をかいても生きて行くのか
とそこには書かれていました。
本当に追い詰められている心中を察し、胸が締め付けられるようにギューッと痛くなりました。
次男の存在が救いの手
名古屋に暮らす次男がある程度手助けをしていました。
ひきこもっている兄と敬子さんを見て、「もう(家族を)見たくない!」と昔は距離を置いていたのですが、
あるときから家族の様子を見に来て話を聞いたり、食料や衣類を家に差し入れしたり協力をしていました。
次男はひきこもりの居場所のNPO法人を立ち上げて、ひきこもりの方を率先して手助けしているようです。
突然の父親の死
2020年12月のある朝、父親が脳腫瘍で救急搬送され、亡くなりました。92歳でした。
この葬儀にも長男の兄はひきこもったまま参列せず、敬子さんは涙も出ませんでした。
葬儀の翌日、父の保険証を探していると、タンスの引き出しの中に手紙が出てきました。
そこには「お世話になる皆様へ」と向けて言葉がつづられていました。
‟長い間ごめいわくをおかけして申し訳ありませんでした。
本当にいろいろありがとうございました。(中略)
そして遺骨はすべて廃棄してください。
もちろん葬儀は一切不要です。
まことにありがとうございました。
おさわがせして、まことに申し訳ございません。
遺体は焼却の上、遺骨は廃棄してください。
息子と娘は一人では生きて行けないので連れて行きます。”
この言葉に、父親が長年ずっと悩んでいた子供たちのことに対して責任を取るという強い意志の表れを感じました。
ひきこもりの息子を殺害した農水省の事務次官の話に強く同情し、「私もいざとなればやるしかない、自分の子供だからこそ」ということを生前の動画内ではおっしゃっていました。
敬子さんは手紙を見た後もずっと「保険証ない、保険証ない」と言い続けていて、間違っていたら申し訳ないですがどことなく軽度の知的障害のような印象を受けました。(私の母に振る舞いが似ている部分があります)
初めての一人暮らし
次男の協力も得て、敬子さんは家を出ることになりました。
そうしないと長男がパチンコでお金を食いつぶしてしまい、敬子さんの精神的にも参ってしまうと判断したからです。
名古屋で初めて一人暮らしを始めました。
生活保護で1か月13万円出るといいます。(携帯、光熱費すべて含めて)
うつ病症状で、ヘルパーを利用して35年ぶりに歯科医院で治療を始めたり、美容院で髪を切ったり、買い物同行してもらったり。
料理ができないのでご飯を友達(知り合い?)に作ってもらい、はたまた飼っているハムスターの掃除も友人にやってもらっていたり。本当にウツなのかな?と疑ってしまいました。
まとめ 感想
最後はお父さんが亡くなられましたが、通常であれば子供よりも先に親が亡くなります。
おそらくはお父さんは病気なのはご自身でわかっていたはず…?それでも病院に行かず、最後まで我慢されたのではないかなと推測しました。ただ、長引く継続的な介護が必要にならなかったことが唯一の幸いだったかもしれません。
父親の苦悩、ひきこもりの子供を持ってしまったということに対してひどい罪悪感や、責任感を感じていたことは胸が痛いほどわかりました。
また、次男が助けてくれたことが救いでしたね。次男がいろいろと一人暮らしに必要な手続きを進めてくれて、うまく生活保護を受給することができてよかったです。そうすれば、医療費も無料になりますし、年金も払わなくてもよくなります。あとは亡くなったときの火葬費用も無料になります。
生活保護はほかの家族、兄弟がいても全額もらえるとは知りませんでした。市役所からいい具合に追い返されたり、扶養照会でかならず親戚に暴露されたり、嫌な思いをするとばかり思っていました。➔扶養照会の闇についてこちら
ひきこもりの人間だけが悪いということではありませんが、まだまだ社会の目、世間の風当たりが強いことは確かです。番組の中でもありましたが、両親への近所の人たちからのバッシングがひどいそうです。
ひきこもりになるきっかけは、経済状況、時代背景も関係してきます。氷河期世代には大卒当時、正社員に就職するチャンスがなかったり、非正規のまま何十年も経過しているという人も少なくありません。いつ、誰がなってもおかしくはないという「ひきこもり」、自分もその一人ではありますが、この状況から立ち直っていく、何度目のチャンスが与えられることが非常に少ない日本では非常に厳しい状況であることには変わりないでしょう。
「自分だけおいてけぼり」と言っていた敬子さんの言葉、私もよくわかります。
周りは結婚して家族を持って、人生を進んでいるのに、それなのに自分だけ全然変われないという焦りと不安のようなものに支配されてしまうんですよね。
ひきこもりはまだまだ根深いです。
いつこの泥沼から抜け出せるか…
親が亡くなるときが、ある意味きっかけになると思っています。本当はその前に、ちゃんと働いて親を安心させ、そして何より自分の人生を一人で自立していかねばならないのに…
最後までお読みくださりありがとうございます。
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