Yahoo!ニュースに、2020年の敬老の日を前に100歳以上の人口が8万人を超えたという記事が出ていました。
「昨年より9176人多く、50年連続で過去最多を更新。女性が7万975人(88.2%)を占めた」といいます。
8万人のうちの9000人増えたのですから前年比110%増です。
推移としては
1990年 3298人
2000年 13036人
2010年 44449人
2020年 80450人
となっています。
2000年から2020年までの20年間に67000人増、6倍にも増えたことになります。
生まれたからには誰しもが老いていく現状。しかし日本の高齢化はすさまじいスピードで日本を覆っていきます。
その闇について語ります。
長くなりましたので2ページあります。よかったら最後までおつきあいください。
日本の平均寿命
日本の平均寿命は毎年伸びています。
人生100年時代と言われて久しい現代。
2019年の日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳で、いずれも過去最高を更新したことが31日、厚生労働省の調査で分かった。前年からの伸びは男性0.16歳、女性0.13歳。過去最高の更新は男性が8年連続、女性が7年連続となった。
引用元:時事通信7/31/2020
男性が81歳、女性が87歳。
私の向かいの家のおじいさんは80歳半ば。車も運転するし、毎日庭の手入れをしています。背中もしゃっきり背筋は伸びていて、ピンピンしています。
近所のおばあさんも、82,3歳と思われますが、卓球教室に通っているそうで、この方も毎日車を運転し結構飛ばすので、私は何度かあおられたこともあります😅
かといえば、私の父は脳梗塞を何度も発症し65歳で歩くのが難しくなり、68歳で介護認定を受け、要介護2。その後は肺がんが発症しすぐ禁煙しましたが、最後は誤嚥性肺炎になり74歳で亡くなりました。
母と言えば現在72歳ですが、背中も曲がってしまい、首下がりという病気になりあごと胸がくっついてしまうくらい頭が落ちています(総合病院に行きいろいろ検査しましたが原因がわからず、整形外科にリハビリに通う毎日)。5人兄姉の中で末っ子ですが、一番体が老いているように思います。
年を取るごとに年齢は関係なく個人差が広がって出てきます。
厚労省は医療の進歩により三大死因(がん・心疾患・脳血管疾患)による死亡率が下がったとしています。
100歳以上の人口が8万人を超えたとありますが、その内訳のデータはないのでしょうか。たとえば自立している人が何パーセント、要支援何パーセント、要介護度別に何パーセントなど、そのうち認知症の割合がどれくらい、健康な人の割合を知りたいと思いました。
平均寿命は平均で亡くなる年齢です。
それに対し健康寿命という定義があります。
健康寿命とは
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。
2016年のデータになりますが
健康寿命は男性72.14、女性74.79歳となりこの差は男性約9年、女性約12年でした。
平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。
仮に、平均寿命が100歳まで伸びたとして、健康寿命が延びなかったら20年以上も寝たきりであったり体が不自由な状態が続くということがあり得ます。
たとえ長生きできたとしても不健康な状態で、自分の力でどこにも行けない、身の回りのことを自分でできない、もしくは認知症になり自分の意志がわからない可能性も高いのです。
Yahoo!コメント欄
コメント欄を見るといろいろな声が上がっています。
胃ろうが悪者
長生きすることは良いことだと思いますが、「生かされている」人も多いのではと思います。健常者はどのくらいをしめるのでしょうか?施設に入っている方で家族の意向で胃瘻している方などもいると思います。
その胃瘻に年間500万かかっていると。自分が何者かもわからない、心臓が動いてるだけの存在に、胃瘻や人工透析。管まみれの寝たきり。医療の発展は、より良く生きるためにあるべきで、より長く生きるためじゃない。
胃ろうは、はたからみるとかなり悪者になっている感じがありますが、私はかならずしも悪ではないと思っています。
ブロ友さんの中にも胃ろうをされているご両親やご家族の方もいらして、皆さん一生懸命生きていらっしゃいます。
急性期の病院で、父の胃ろうを迫られたときは本当に頭がはげるほど悩みました。
先日まで食べられていたのに、誤嚥性肺炎のために突然飲食禁止になりやせ細っていき
医師からは以下のように急がされます。
胃ろうをやらないとこのまま点滴だけで数週間から1か月で死にますよ、それでもいいですか
まだ70代前半ですぐには死んでほしくなかった。
少しでも胃から栄養が入って、筋力が付いたら食べる訓練をして食べられるようになればいい、それも一縷の望みと思った。しかしそれも叶わなかった。
ヤフコメには医師と思われる人からの書き込みもありました👇
医師として思うところなんだけど…
「家族の意向で」胃ろうになってる人って実はそんなに居ないんだよね。
なんかの病気で経口摂取できなくなったときに、主治医に「胃ろうにしなきゃ死ぬ」と強く迫られて断れなかったとか、食べられなければ食べないという判断をすると受け入れ先の病院や施設が見つからないとかで作られてる人が多いんだよ。それで数年寝たきりで生きて家族も後悔してたり…作る前の段階でもう少しフォローすべきなんだろうけど、急性期病院は忙しすぎてそんな手間がかけられないし難しい。
今は昔に比べてだいぶ胃ろうを作る人が減ったらしいですが、それでもとっさに命の選択を迫られるとどうしてもしぶしぶ了承せざるを得ない場合もあると思います。
年金をあてにする家族
お金のことを思うと切実です。
高齢者の年金を頼りに生活してる無職のご家族がいます。
ご家族に頼まれて、出来る限りの延命措置をして施設に行かせた経験があります。
これはかなりの確率でいると思います。
年金を当てにして、生かしているということ。胃ろうだけではなく長く生かしたいのは入院費や医療費を差し引いても年金が余るからでしょう。
以前、55歳のひきこもりが両親の年金だけで一生働かずに生きていけるという記事を書きましたが、高齢のご両親合わせて年間約400万程度の年金が入ります。それと持ち家や土地、預貯金や親が亡くなったときの生命保険があるだけで働くことなく遺産を引き継ぐことになるのです。
高齢者の年金はそれほどに世代間格差が大きく不平等です。
子どもがいる現役世代のお給料よりも相当年金が多い高齢者や資産家もいるでしょう。
高齢者が持つ日本の半分以上の富
日本の個人金融資産の6割以上を60歳以上が持ち、55歳以上が7割を所有するといいます。
0歳から54歳、若者から子どもを育てている現役世代と言われる人たちは、お年寄りが持っているお金以外の3割の中の経済圏で暮らしているのです。それも衝撃的な数字ではないでしょうか。
二極化がますます進み、富める者はもっと富んでいく、貧する者はもっと貧困になっていく…
高齢者の中でも極端な二極化が進んでいます。
65歳以上の高齢者がいる世帯の貧困率は2016年時点で27.0%となっており切実な問題です。
今の日本ではみんながみんな幸せになれないと思います。現役世代は高齢者が多いことが悪だと叩く風潮があり、お互いがお互いを叩くのはよくないと私は思います。
若者は自分の声が政治に反映されないため選挙に行くこともしない、圧倒的に高齢者有利になるために政治離れも起きていますし、何もいいことがありません。
崩壊した年金制度
若者、現役世代が高齢者を支えるこの年金制度自体が悪であって、年金制度を何とかするべきと思っています。
現役が多かったころに作られた昔の制度で、もはや時代遅れで現代の人口比率を無視しています。
自転車操業で、国債を発行し続けて、2020年3月時点で1114兆円以上、国民一人当たりの借金は今900万円以上です。⇒国の借金、過去最大1114兆円 1人当たり901万円―3月末
コロナの影響でもっと国債は増えていくでしょう。
年金制度もそうですが、圧迫する医療費では、まず後期高齢者の1割負担をなくすことも重要と思います。これは75歳以上が1割となっているものですが、私は3割にするべきと思います。
2022年からは2割になることも検討されているようですが、蓄えもあり、年金で月に30-40万近くもらっている家庭ならば3割負担でも余裕で払えるはずです。そういう高所得者に対しての線引きをしっかりして、低所得者は1割負担のままなどの温情措置をすることが必要でしょう。
現在、75歳以上の1人当たりの年間医療費は、2016年度時点で平均91万円。3割負担が続いている65歳未満での平均額18万円の5倍に相当します。しかも医療費全体の4割を現役世代の保険料が支えています。
引用元:みんなの介護 後期高齢者の医療費が一気に「2割」へ引き上げに!
まとめ
100歳まで生きるというのは大変立派で喜ばしいことだと思います。
しかし意識もはっきりしていて、自分で自分の身の回りのことができている状態の人はどのくらいの割合でいるのでしょうか。現在の高齢者の中で、認知症、要介護状態で、意識もなく管をつながれて「生かされている人」はどのくらいいるのでしょうか。
皆さんは、長生きしたいですか。
長生き=幸せではない
ヤフコメの中にありました。
長生きイコール幸せではない。
親を長年介護した人達は、自分はそんなになってまで生きていたくないと思ってる人多いと思う。うちは同居の祖母がそうなったので、それを見てて長生きイコール幸せではないと強く思うようになった。医療はより良く生きるために発展するべきで、より長く生きるためにではない。
私も、自分が介護が必要な状態に陥り、認知症で周りのこともわからなくなり、最後寝たきりなどになって、そのまま管を挿入したまま長く生きながらえるのは嫌だなと思います。
自分には子どももいないし、少子化のためにそのころには介護をしてくれる人口も今ほどいないでしょう。もしかしたら介護ロボットや医療ロボットなどが開発されているかもしれませんが、今よりもっと手薄な人手で、高齢者数が爆発的に増えすぎて納める社会保険料や税金もベラボウに高くなり、高額な介護・医療費用を支払えないことは間違いないでしょう。
年金も今のまま行けば月額6万円(年72万程度・国民年金)と言われてますが、その6万円がハイパーインフレで2-3万円の価値しかなくなり、たとえ体が悪くなってもお金がないので、介護や医療を受けられることなくそのまま死んでいくのでしょうかね。そんな格差社会が軽く想像できてしまいます。
私も20年後には今でいう高齢者になっていて、30年後には後期高齢者。
日本の老後には、真っ黒い、漆黒の闇しか想像ができません。
尊厳死・安楽死が認められるようになるか
尊厳死、安楽死の議論をもっと盛んに始めてもいいタイミングに来ていると思います。
まだ若いときに思いつめて自殺はよくないと思いますが、
ある程度の年を取り、もう治る見込みのない病、回復することのない体や機能不全が、ある一定の期間を過ぎた場合、尊厳死することを認めてもいいのではないかとそんなことを考えます。
自分がその状態で負担になってしまうからです。払えるお金がないのであればなおさら、介護の費用や、医療費、それに生活保護をもらっているならば国の負担。あまり人に負担をかけずに、この世からおさらばしたいのが私の願い。
2040年には、現役世代の1.5人が一人を支える時代になっています➡2040年問題、現役1.5人が高齢者1人を支える困難さ
2040年には85歳以上人口が高齢人口の3割近くになり、高齢世代がさらに高齢化する。また、就職氷河期に安定した雇用を得ることができなかった世代がそのまま高齢となり、高齢世代の困窮化もすすむ。そして高齢世帯のなかで単独世帯が4割を超え、高齢世代の孤立化が進行する。
2040年、見たくない未来が来そうですが、ものすごいスピードで時間が進み、音も立てず気が付かないうちに自分も高齢者になっている予感がしています。
うかうかしていると時間はアッと今に過ぎていきます。体が動くうちに、自分の意志がはっきりしているうちにやりたいことを実現させましょう!案外、動ける時間は短いのかもしれません。
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